【2020年最新】厚生労働省がトレーニーに必要なたんぱく質量を発表!(乳児〜高齢者も)【日本人の食事摂取基準】
こんにちは!
2020年1月21日に発表されたホットな話題です。
「日本人の食事摂取基準」というものをご存知でしょうか?
「日本人の食事摂取基準」とは、三大栄養素であるたんぱく質・脂質・炭水化物や、ビタミン・ミネラルなどの摂取基準や、食事と病気の関係性について、研究機関のデータを基に厚生労働省がまとめ、公式な見解として発表しているものです。
私も過去の記事で、筋トレしている人が1日に摂るべきたんぱく質の量についてお話ししましたが、「日本人の食事摂取基準」を参考にしております。
しかし、上記の過去記事は葬り去ってしまった方が良いかもしれません。
なぜなら、「日本人の食事摂取基準」の2020年最新版が1月21日に発表されたからです!
早速内容をチェック(たんぱく質の項のみ)したのですが、
たんぱく質摂取量の目安(目標量)が具体的すぎる。
誰でも一目で1日に必要なたんぱく質量が分かる表が載っています。
しかも幼児〜高齢者まで幅広い年齢層に対応しており、さらにさらに身体活動レベルに合わせた摂取量の目安も分かります。
たんぱく質の摂取量のことならこの表を見れば全部OK!
というくらいの表でした!
そして、たんぱく質目標量が2015年版の維持必要量に比べて大幅アップしています。
前回とまるで違う基準なので、
前回基準の「体重1kgあたり0.72g」で安心していた方、
たんぱく質の摂取を頑張りましょう!笑
※タイトルにもありますが、乳児のたんぱく質摂取量については、これからご紹介する表ではなく、資料内の別の部分に記載があります。
記事の最後にリンクを貼りますので興味のある方はそちらからご覧ください。
最新の日本人の食事摂取基準 たんぱく質摂取の目標量が丸わかり!幼児〜高齢者、トレーニーまでも!
もう本当にこれを見ればいいだけ!
こちらの表をご覧ください!↓
出典:「日本人の食事摂取基準(2020年版)」たんぱく質
年齢、性別、身体活動レベルそれぞれのタイプからご自身が該当する部分を確認するだけです。
本当に分かりやすいですよね。
ちなみに数字が〇〇〜⬜︎⬜︎となっていますが、
目標量(下限)〜目標量(上限)という意味です。
必要最低限(現状を維持するくらい)のたんぱく質でいいや!
という方は下限の数値を、
もっと筋肉を成長させたい!
という方は上限の数値を参考にしてみてください。
数値の算定には、日本人の年齢別平均体重が使われています。
平均体重については記事の下の方にリンクを貼っておきますので、ご自身の体重と比較して摂取量を決めましょう。
身体活動レベルの基準については下記をご覧いただければ分かります。
出典:日本医師会
身体活動レベルについてはかなりの人がⅡ〜Ⅲになりそうですよね。
会社勤めの人ならⅡくらいにはなりそうです。
トレーニーの皆さんは、「身体活動レベルⅢ」且つご自身の性別・年齢に該当する部分をご確認ください!
大幅に摂取量がアップしている
たんぱく質摂取量なのですが、2015年版と比べて大幅に増えています。
というのも、2015年版では「体重1kgあたり0.72g」が基準となっておりました。
体重100kgの人なら1日72g摂って!という意味です。
最新版では、18〜29歳の男性で、身体活動レベル1の場合でも最低75gは摂ることが推奨されています。
20歳の日本人男性の平均体重は65.7kgなので「体重1kgあたり1.1g」以上の摂取が必要ということになり、明らかに摂取基準が変わっている事が分かります。
この違いについては、厚労省のたんぱく質摂取に対する考え方の変化の現れである事が2015年版と2020年版を見比べると分かります。
詳しい理由は後ほど説明したいと思いますが簡単に言うと、
2015年版では、
維持必要量=今の筋力を保てるか保てないかのギリギリ最低ライン
が基準となっており、
2020年版では、
目標量=絶対に体を衰えさせない
という風に考え方が変化しているのです。
なぜこれだけ考え方が変化したのでしょうか?
【考え方変化の理由その1】窒素出納法の測定結果への不信?!
たんぱく質の維持必要量については窒素出納法で調べるのが主流です。
しかし、この方法での測定については以前から誤差が生じやすいなどのデメリットが指摘されていました。
近年新たなたんぱく質必要量の測定方法として、指標アミノ酸酸化法というものが使われ始めている影響もあるかと思われます。
前述の方法に比べて誤差がなく、正確な必要量が求められるのではないかとの意見が出てきています。
そしてこちらの測定方法だと、窒素出納法よりもたんぱく質必要量がかなり高く算出される傾向にある事がわかっています。
指標アミノ酸酸化法については後日改めて詳しく取り上げてみたいと思います。
【考え方変化の理由その2】高齢者のフレイル、サルコペニアに対する国の焦り
これが最大の理由だと思います。
下記は2020年版「日本人の食事摂取基準」の概要です。
~誰もがより長く元気に活躍できる社会を目指し、高齢者のフレイル予防のほか、若いうちからの生活習慣病予防に対応~
〜途中省略〜
【主な改定のポイント】
○活力ある健康長寿社会の実現に向けて
・きめ細かな栄養施策を推進する観点から、50歳以上について、より細かな年齢区分による摂取基準を設定。
・高齢者のフレイル予防の観点から、総エネルギー量に占めるべきたんぱく質由来エネルギー量の割合(%エネルギー)について、
65歳以上の目標量の下限を13%エネルギーから15%エネルギーに引き上げ。
・若いうちからの生活習慣病予防を推進するため、以下の対応を実施。
- 飽和脂肪酸、カリウムについて、小児の目標量を新たに設定。
- ナトリウム(食塩相当量)について、成人の目標量を0.5 g/日引き下げるとともに、高血圧及び慢性腎臓病(CKD)の重症化予防を目的とした
量として、新たに6g/日未満と設定。
- コレステロールについて、脂質異常症の重症化予防を目的とした量として、新たに200 mg/日未満に留めることが望ましいことを記載。
概要を読んでみると、高齢者を意識した内容に改定されているのがわかります。
「日本人の食事摂取基準」たんぱく質の項の中にも、フレイルやサルコペニアという言葉が何回も出てきており、それらの現象を予防し、健康な状態を保つにはたんぱく質を摂る事が大切であり、たくさん摂取しなければならないという趣旨の内容が確認できます。
ちなみにフレイルというのは直訳で「虚弱」を意味しており、ここでは加齢による衰えを指します。具体的には以下の5項目のような状態です。
1.体重減少:意図しない年間4.5kgまたは5%以上の体重減少
2.疲れやすい:何をするのも面倒だと週に3-4日以上感じる
3.歩行速度の低下
4.握力の低下
5.身体活動量の低下
サルコペニアは加齢による筋力や筋量の低下のことを指しております。
年をとってどんどん体が弱っていく現象を表す言葉と覚えると良さそうですね。
現在、日本は超高齢化社会に突入しており、介護保険費用や医療費がどんどん膨らんでいる状況です。
だから、少しでもお年寄りが健康を維持して、あわよくば働けるくらいになってもらう為に、国も必死なんじゃないかな〜と想像できます。
正直、日本の将来に不安を感じさせるくらい、あからさまに高齢者を意識した内容になっています。笑
こんなことを考えていると、若年層のたんぱく質目標量を設定したのなんてついでだったのかなと考えてしまいます。
結局国はお金のことを考えてるだけじゃんと思ってしまいそうです。
ですが、悲観的な意見はここまで!
個人的に今回の改定はいいこともあるのかなと思っています。
トレーニーにとってプラスの影響もあるかも?!
本当に健康的な人が増える?!
一つは、高齢者が摂取すべき食事基準がより明確になることで、医療職や介護職の人、あるいはメディアが具体的な数字を発信しやすくなったという点。
このおかげで高齢者や50歳以上の方が、より食事摂取について気を遣うようになるので、健康的な生活を送ることができる人が本当に増えていくかもしれないですよね。
私の両親ももう還暦だし、健康には気を使って欲しいところ。
でも、60歳の人が摂るべき食事、70歳の人が摂るべき〜のように年齢ごとに具体的な基準を知る機会って今ままでは全くなかったです。それがもっと明確になってもらえるのはありがたいです。
関連商品が充実していく!
もう一つは、栄養補給を目的とした食品がもっと増えていくんじゃないかと予想できる点。
今までよりも具体的な食事摂取基準が発表されることで、消費者も食品に含まれている栄養素についての関心が増していくんじゃないかと思われます。
そうすると、今までコンビニで売っていたプロテインバーなどの需要が高まってくるので、関連商品がさらに増えていくことが期待できます。
最近のフィットネスブームのおかげで気軽にたんぱく質を補給できる食べ物がすでに増えてきていますが、もっと充実してくれるとトレーニーとしても嬉しい話です。
国産プロテインが安くなる?!
一番期待したいのは、日本製のプロテイン関連商品が安価になっていくこと。
海外産や国内でも通販専門で販売されているプロテインは結構安いものが多いです。
比較するときに一番分かりやすいのがS◯V◯Sですね。
薬局で唯一取り扱っている(と言ってもいい)プロテインがS◯V◯Sですが、正直めっちゃ高いです。
私が普段購入しているマイプロテイン(イギリスのメーカー)に比べると、1キロあたり2,000円〜3,000円くらい高いんです。笑えるぐらい違いますよね。
でもこれって日本のプロテイン市場がまだまだ未発達であることを意味しているので、たんぱく質の摂取に関して、より多くの人が関心を持つようになってくれれば、需要と供給のバランスが変化して、もっと高品質で安価な商品が登場してくれるんじゃないかと期待しています。
まぁよほど努力しない限り海外商品との差を埋めるのは厳しいとは思いますけどね。笑
フィットネスブームがさらに加速?!
中高年〜高齢者中心かもしれませんが、フィットネスブームがさらに加速していくことも考えられますね!
健康志向の人が増えていけば、運動への関心が高まるのは当然です。
そもそも筋トレしたり体を動かすことってメリットしかありません。
だから関心の高まりと共に、良さに気づいてくれる人が増えてくるとすでにトレーニングに励んでいる身としては嬉しいものがあります。
そしてストリートワークアウトの施設や公園に高鉄棒が増えてくれると最高です。笑
まとめ
・厚生労働省が「日本人の食事摂取基準(2020年版)」を発表
・年齢、性別、身体活動レベル別のたんぱく質目標量を新たに設定
・前回2015年版から摂取量の基準が大幅アップ!皆さん頑張って食べましょう!
・大幅アップの理由は高齢者のフレイル、サルコペニア対策にあり
・栄養・健康意識の高まりからフィットネスブームのさらなる加速につながるかも?!
参考資料
今回は以上です。最後までご覧いただきありがとうございました!!
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